絶対的作用『(めい)

 

万物を産み育む『化育(かいく)

(めい)』とは陰陽の絶対的な作用を現わします。陰陽の絶対的な作用とは、例えば陽の代表的な象意である天が陰の代表的な象意である地と交わって万物を産み育んで参ります、大地に太陽の光が降り注いで植物が成長する様に、陰陽が交わる事によってあらゆるものを形成しながら生成する、これを『化育(かいく)』と申します。これも命の作用のひとつであります。『化育(かいく)』は命の絶対的な作用でありまして、この化育の作用があるからこそ私たちの生命があります、(いのち)という言葉も(めい)から派生している訳であります。

 

 

『陰陽相待(そうたい)』と『陰陽相対(そうたい)

陰陽がお互いを求める事を『陰陽相待(そうたい)』と申します。陰は陽を求め陽はまた陰を求めます。陽の磁極であるプラスと陰の磁極であるマイナスがお互いを引きあう磁石の摂理は陰陽相待作用でありまして、陰陽相待作用は異質にある物を引き寄せて、同質にある物と同調・同化する性質があります、ひとしずくの水滴が集まる事により、水たまりから川となり大海となるように同質の物が陰陽相待によって同調・同化しますが、その反面に火は木を燃やす一方で、水は火を消す作用も陰陽相待作用です。

陰と陽が対立する作用を『陰陽相対(そうたい)』と申します、男女が対立しあうのも陰陽相対作用の一つであります、恋愛の時には燃えるような恋愛をしていたにも関わらず、結婚をして生活を共にする様になって大喧嘩を始めてしまうのも、陰陽相対の作用でもあります、男女というのは求め合いながらも対立をするという、これも陰陽相対作用の作用が為せる技であります。

この様に命(めい)には陰陽が求め合い、時には対立をして交わりながら万物を化育して参ります、これが宇宙の根源を成してゆく根本的な性質でありますから、宇宙上にある存在というのはこの法則の影響を受けないものはありません。

そして命(めい)には様々な種類が存在しまして宿命・運命・天命などの代表的な三大命という物があります、宿命とは命が宿ると書いて宿命でありまして、母の胎内に宿った時に与えられる物であり、宿命は絶対的・確定的な命でありますから両親や先祖、生年月日、性質、人徳などの先天的な決定事項であります。運命とは命を運ぶと書いて運命ですから自らの精神によって運んでゆくものです、運命は未決定的・不確実的な命でありますから、自らの精神性による決断であり、その結果を受け取るというのが運命であります。天命とは命を天から授かるという事です、天命は私たち人類が生かされている理由であり、生きている理由でもあります、天命は決定的でありながらも時々によって変化して行くものです。