生成・化育の原動力『陰陽』


陽と陰の符号

 

易では陰陽の学問でありまして、その基本的な決まり事として陰陽の陽は『』陰は『』という符号で現わします。何故、その様な符号を用いるかと言えば、陽は始まりであるから、陰は2番目に生じたのでという非常にダイナミックに表現しております。もう少し付け加えますと、陽は原初の宇宙で無の状態から空間、時間などの形が無い存在が生じた、最初の存在であるから『』という符号で現わし、陽の最たる物は天であり。陽が生じてその後に『陰』が生じます、陰が二番目に生じたので『』という符号で現わします。陰の最たる物は地であります。

陽が天であり、陰が地であるという様な解釈、この事を『(しょう)()』と申しますが、易を学ぶ上で象意という物は欠かすことが出来ない要素です。下記に陰陽の象意を列挙致します。

 

陰陽象意

陽  男・父・天・光・動・始・無・剛・正・上・表・右・+・白

陰  女・母・地・影・静・終・有・柔・否・下・裏・左・-・黒

 

陰陽の性質

 

太極を易で現わしますと『』という符号となり、それは陽の『』と同一の符号で現わします。陽は太極の性質を色濃く持つ存在であるから、太極から初めて生じる陽を太極と同じ『』で現わすという事です。そのように陽が純粋な性質であったとすれば、その対極にある陰は不純であるという事です、それは『陰陽(いんよう)相対(そうたい)』という命の作用が働くからでありまして、光があるから影があるように、男性がいて女性が居るように、陰陽というのはそれ単体で存立する事が叶わなく、必ずそれに相対し対立する存在が無ければ存在する事が叶いません。また、『陰陽相待(いんようそうたい)』という命の作用もあります、それは相待つという事ですから、陰陽はお互いを求め合うという事です。陽は陰を求め、陰は陽を求める、男女の関係などに照らし合わせても、お互いを求め合うというのは陰陽相待であるという事が言えます。その様にして陰陽は対立しながらも求め合いながらも相反するという行動を繰り返しながら、陰陽が和合して行く中で万物は生成・化育されて参ります。