陰陽相待・相対作用『応爻・比爻』
陰陽相待・相対をあらわす『応爻・比爻』 ※別図
大成卦の六爻には、その並びあう爻同士で陰陽相対・相対という作用が働きます。陰陽相待・相対作用とは、陰陽がお互いを求め合う一方で、陽と陽は争い、陰と陰は対立するという、お互いを求めあう一方では対立するという働きをあらわします。そして一定の条件が整った時には陽と陽が、陰と陰が本来は手を取り合わずに対立する存在同士が手を取り合い『同氣和合』する場合がありますが、その時には非常に大きな力を発揮致します。それは男女がお互いを求めて、同性は対立する一方、同性同士で団結する時は非常に大きな力を発揮する。陰陽にはその様な作用がありまして、易では大成卦の中でその様な陰陽相待・相対作用の関係性を『応爻・比爻』であらわしております。
身近な存在『比爻』 ※別図
隣り合う爻同士を『比爻』と申します。比爻は身近な協力者ともなりますし、妨害するようなライバル関係とも言えます。一方が陰で一方が陽の場合は協力者となり、双方ともに同質の陰陽であれば妨害される様な対立関係の場合もあります。そして初爻は二爻を下に存在して二爻を承ける存在ですから、二爻に対しての初爻を『承爻』と申します、陰爻が陽爻を承けるのが良いとされます、承というのは影響を受けやすく時には障壁となる場合があります。それに対して二爻は初爻の上に乗るので『乗爻』と申します、陰爻が陽爻の上に乗るのは良くないとされておりまして、陽爻が陰爻の上に乗る事を『拠る』と申しまして信頼できる相手と見ます。
□比爻一覧
初爻 ⇔ 二爻(承爻)
二爻 ⇔ 初爻(乗爻)・三爻(承爻)
三爻 ⇔ 二爻(乗爻)・四爻(承爻)
四爻 ⇔ 三爻(乗爻)・五爻(承爻)
五爻 ⇔ 四爻(乗爻)・上爻(承爻)
上爻 ⇔ 五爻(乗爻)
遠くの頼りになる存在『応爻』 ※別図
内卦外卦のそれぞれの第一爻、第二爻、第三爻同士で、初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と上爻が応じる事を『応爻』と申します、易経の中でも陰陽で応爻し和合する場合には、君臣の関係や夫婦関係、艱難を共に突破するための仲間であり、応爻はお互いの爻同士の位置は離れているのではありますが、隣り合う爻の比爻よりも、遠くにある応爻の方が強い関係性があり重視されております、現実世界でも近くの知り合いより遠くの友人の方が頼りになる事があると思います、応爻とはその様な関係性を示しております。応爻は陰と陽であれば協力関係になりますが、陽と陽、陰と陰のように同気であれば対立をしますが、時勢や状況によっては同氣和合して、より強い協力一致する事があります。